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2019年07月12日 [COLUMN, 相続]

相続税の誤解

「人が亡くなったら、遺族には相続税がかかる」

そういう誤解は今でも多く見受けられます。

相続税の大増税!!と言われる税制改正もあり、亡くなったら税金がかかる!と焦っている方も多いのではないでしょうか?

「税務署へ行けば、確定申告みたいに申告できる」

という誤解も多い気がします。

日本の相続税は、遺産税方式と遺産取得税方式が混ざっています。

【遺産税方式】

遺産に対する相続税の『総額』を計算する方式です。

【遺産取得税方式】
遺産の取得者ごとに相続税を計算する方式です。

日本では

①相続税の総額を計算する
②①の総額を遺産の取得者ごとに按分する
③取得者の状況(配偶者・未成年者・障害者等)を加味する

という方式を取っています。

なんでこんなに難しい計算の仕方をするのか置いておいて、

遺産が基礎控除額以下なら申告義務はないのです。

税金、かかりません。

92%程のケースで、相続税は発生しないという統計です。(※平成29年の相続税申告率は8.6%と公表されていました)

『人が亡くなったら、相続税がかかる』は間違いです。

『人が亡くなって、基礎控除額を超える財産があって、その財産を取得した人がいる場合、その人には相続税がかかる』というのが正しい。

様々な条件があるので、中々自力で判断できないものなのです。

一方

『税務署に行けば、相続税の申告ができる』

これは完全に間違いではないです。

間違いではないですが、莫大な時間と労力がかかる事は覚悟してください。

☆土地の評価は、路線価×地積・・・だけではないです。

☆預金は残高証明で証明する・・・だけではないです。

☆生命保険は非課税・・・とは限らないです。

☆債務や葬式費用は控除される・・・誰が負担するのか?によります。

☆自分が相続した財産だけで申告する・・・できないです。

☆自社株とか納税猶予あるよね・・・事前の手続きなど極めて複雑です

☆誰がどの財産を取得するか・・・得な方法は教えてくれないです。(遺産分割という事実が先で、その後の計算は教えてくれるかもしれませんが、税金が高いからといって遺産分割のやり直しはできません。←完全にアウト・・・って訳でもないんですけど)

ともかく、正しく情報を得る事は重要です。

細かい点までの確認ではなく、大筋の『申告義務』があるか?『申告手続き』はどうするか?

そのあたりだけは、人づてに聞いて済ませてはいけません。

相続に同じものはひとつとしてないのですから。

相続税対策についても同様です。

『亡くなる直前に預金を引き出しておくのよ』『生前贈与しておかないと』などなど。

間違いではないかもしれませんが、その情報が【あなたの場合にも有益か?】

今一度、専門家へ相談してから行動されることをお勧めしたいところです。